主にPCやタブレットを扱っている中国のメーカー”CHUWI(ツーウェイ)“から6月末、14インチのノートPC『CoreBook X(コアブック エックス)』の新型が発売されました。
今作の大きな特徴としては低価格さが挙げられ、CPUは第8世代Intel Core i5、メモリ8GBでストレージはSSD512GB、14インチWQHDディスプレイを搭載して約6万6000円と、他社製品と比べてもかなり安価な印象。
届いて約1週間ほど使用しましたが、かなり快適に動いているので、その旨を紹介できたらなと思います。
CoreBook Xの外観チェック
内容物はPC本体、電源アダプタ、ケーブル、各種認定書
電源は65Wで63 x 63 x 30mmのコンパクトモデルで重量は約165g
PSE・CE・UL・FCC等各種認定書に加え、ユーザーマニュアルも付属しています。
筐体は天面・底面ともに塗装は落ち着いたスペースグレーで、アルミニウム素材の質感はこの価格にしてはかなり良い方。
天面部のCHUWIロゴも主張は少なく、ビジネス用途でも特に違和感無く使えそうです。
底面部は4つのゴム足とファン、ステレオスピーカーが見て取れます。
前モデルだとSSD増設用のM.2スロットがあったようですが、購入時のストレージが256GBから512GBに増えた影響もあってか、今作では廃止されているよう。
サイドのインターフェースは右側は奥から順にUSB-A、3.5mmステレオジャック、microSDカードスロット。
左側は奥から順に電源ポート、USB-Cが搭載していて、USB-CはPD2.0や映像出力にも対応しているので、汎用性は十分です。
続いてキーボード部分を見ていきます。
キーボードはテンキーレスのUS配列で、暗いところでも作業できるよう、LEDバックライトが内蔵。
特徴的なのが一番右の列。
同社の13インチPCのキー配列に加えて、電源ボタンの下に「Home」「End」等のキーが1列分追加されているため、多少の慣れが必要です。
チクレット構造でキーピッチは19mm、キーストロークは1.5mm程度。
タッチパッドは125 x 78mmと比較的大型、クリック感はやや固めな印象で、表面の追従性や操作性に関しては品質が高く、かなり満足のいくレベルです。
キーボード上部にはLEDインジケータがあり、左下にはIntelのシール(なんかちょっと傾いてる…)
ちなみに電源ボタンは指紋認証”非対応”です。
画面はアスペクト比3:2の14インチWQHDディスプレイ搭載。
展開角度は最大で約170°あたりで、上部には720pのカメラが内蔵しています。
後ほど記述しますが、このディスプレイ、ノートPCにしてはかなり品質が良いです。
CoreBook Xの製品仕様
製品名 | CHUWI CoreBook X |
色 | スペースグレー |
OS | Windows10 Home ( Windows11可 ) |
ディスプレイ | 14インチ ( 2160 x 1440 ) |
CPU | Intel Core i5-8259U |
GPU | Intel Iris Plus Graphics 655 |
ストレージ | 512GB NVMe SSD |
メモリ | 8GB DDR4 (増設可能) |
バッテリー | 46.2Wh (11.55V/4000MA) |
充電 | 19V/3.42A Dimension 310229.520.6(H)mm |
重量 | 約1500g |
ポート類 | USB-A 3.0, 3.5mmステレオジャック, USB-C(PD2.0), 電源ポート, microSDスロット |
無線接続 | 2.4G/5GHz, WiFi 802.11a/ac/b/g/n, Bluetooth 4.2 |
キーボード | Chiclet Keyboard, US配列 |
同梱物 | 19V/3.42A アダプター, 充電用ケーブル, PSE・CE・UL・FCC認定書 |
全モデルから変わった点は主に4点
- CPU;i5-7267U 3.1G/3.5G 2コア4スレッド→i5-8259U 2.3G/3.8G4コア8スレッド
- GPU;Iris Plus グラフィックス 650→Iris Plus グラフィックス 655
- メモリ;DDR4 16GB→DDR4 8GB + 空きスロット
- ストレージ;256G SSD(追加・交換可能)→512GB SSD(交換可能・追加不可)
CoreBook Xの使用感
よかったところ
価格に対してスペックが高い
6万円台の価格にして一時のMacBook Proと同じプロセッサーを搭載していて、少し恐ろしいくらいです。
CHUWIの公式販売ページではGeekBenchを元にしたCPUスペック比較やGPUスペック比較がされており、以下のようにまとめられています。
加えて、手元でCINEBENCHでCPU性能の計測を行ったところ、マルチスコアが3664ptsで、シングルスコアが998ptsという結果になりました。
この価格帯だとCeleronを搭載しているPCが多かったり、メモリやストレージが少ないといった要素がよくみられますが、CoreBook Xはどの要素においても「満足して使えるレベル」をクリアしているため、動作に関して不満に思うところは今のところほぼありません。
ディスプレイが2KのIPSパネルで高品質
14インチの大画面に2K(2160 x 1440)の高解像度グレアIPS液晶を搭載。
明るさは十分で発色もかなり良くディスプレイクオリティはかなり高いです。
アスペクト比が3:2と、一般的な16:9と比べて縦に長くなっており、情報を見るときに快適で窮屈さを感じずに便利なのが嬉しいポイント。
最近だとMicrosoft社のPCを中心に少しずつ3:2のアスペクト比が普及してきているような印象があります。
無駄のないスッキリしたデザイン
性能に限らず外観のデザインも価格以上で、スペースグレーで統一感のあるスッキリとしたデザインとなっています。
とは言ってもMacBookのようにフルメタルとはいかず、天面と底面のみアルミ素材のようで、パームレストやキーボード部分は同系色のプラスチック製。
ベゼルは左右は約5mmで上部は約9mmと、比較的薄くて見栄えも良いです。
スペースグレーの色味についてはMacBookのそれと比べると若干暗めなような感じがしますが、個人的にCoreBook Xの方が好みです。
気になったところ
キーボードのオプションにJIS配列が無い
今回のCoreBook XにはキーボードのオプションにJIS配列がありません。
ラインナップはUS配列のみになりますが、これに関しては慣れで解決できるポイントですし、キーボード面のデザイン的にはひらがなが無くて綺麗に見えます(一番右の列は正直いらないと思いますが)。
僕自身の使い方としてMac配列に慣れているため、ALT-IMEというフリーソフト使ってスペース横のALTキーに日本語と英語の入力切り替えを割り当てて使用していますが、かなり使いやすくなるのでおすすめです。
ファンとコイルの音が少し気になる
ブラウジング程度であれば気になりませんが、音楽制作や画像・映像処理などで負荷がかかってくるとかなりファンが回ります。
これに関しては設定から電源の詳細変更へ飛んで、最大のプロセッサ状態を低めに変更したり、システムの冷却ポリシーをパッシブに変更したりすることで幾分かマシになったと思います。
コイルの音は正直そこまで気にはならない程度ですが、静かな環境で作業していると聞こえてくる程度。
原因が何かはわかりませんが、もし外部機器との影響でコイル鳴きが酷くなっても嫌なので、中途半端なUSBハブや充電アダプタ・ケーブルは使用を控えた方が良さそうです。
ファンクションキーがデフォルトだとメディアキー優先
ファンクションキーの機能を使うにはFnキーを押さないといけないので、若干面倒です。
公式サポートにメールを送るとファンクションキー入れ替えBIOSのダウンロード先を教えてもらうことが可能なようなので、変更したい方はメールで確認してみてください。
BIOS更新でファンクションキーの入れ替えをすれば使い心地がかなり変わると思いますが、各所のレビューで触らない方が良かったとの声も上がっていたので、自己責任でお願いします。
自分は触らずデフォルトのまま使っています。
まとめ
第7世代のCore i5-7267Uから、第8世代のCore i5-8259UへとCPUを変更し、ストレージなどもアップデートされ新しくなったCHUWIのCoreBook X。
増設用のM.2スロットが省略され、メモリ容量が半分になり、内蔵カメラも画質が720pのままと、完全なアップグレードモデルとは言えないところが少し残念です。
とは言っても、スペースグレーの落ち着いた外装や高解像度ディスプレイ、好感度のタッチパッド、USB-Cでの充電やストレージ拡張対応など、全体的に見ると非常に満足度の高い一台になっています。
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在庫状況はそこまで安定していないようなので、購入をご検討されている方がいましたら、お求めはお早めに。