中国発のオーディオブランド「1MORE」
そんな1MOREが2020年に発売した完全ワイヤレスイヤホン「ColorBuds」は、一万円以下の手頃な価格、クリアな中音域が特徴のクリアな音質、安定したバッテリー駆動を理由に、多くのファンを獲得しました。
そして2021年10月、先代の「ColorBuds」に幾つかのアップグレードが施された新たなモデル「ColorBuds2」が発売。
実機を手に取ってみてしばらく使用してみたので、前モデルと比較しながらレビューしていきたいと思います。
ColorBuds2の開封
パッケージはお馴染みのデザインで、同時期に発売されたComfoBuds2と同じくフタを引き抜くタイプ。
今回選択したのはミッドナイトブラックのモデルですが、フロストホワイトとトワイライトゴールドのモデルも販売されています。
内容物は本体、説明書、サポートガイド、ステッカー、充電ケーブル、交換用イヤーピースの6点。
充電ケーブルはUSB-A to Cで、イヤーピースは購入時に本体に装着されているものと合わせて4サイズが同梱されています。
充電ケースはマットな質感でサイズはかなり小さく、実測で約5.8 × 3 × 3.9cm。
蓋には1MOREのロゴ、後ろ側には充電用のUSBポート、裏面はゴム製になっていて規格類が記載されています。
フタを開けるとこのような外観。
本体にはロゴが印字されたタッチセンサー部分と本体と同じ質感の筐体部分があります。
耳の構造を意識して作られ、接触部分には充電端子と装着検知センサー、ANCマイクが搭載。
イヤーピースは簡単に外すことができ、完全ワイヤレス特有の低めのノズルが搭載されています。
ColorBudsとの外観の比較
去年発売されたColorBudsと比較してみます。
ケース外観を見ると前作は艶のある表面加工なのに対し、今作はマット加工でかなり印象が違います。
形状で言うとほとんど同じ作りですが、手に取るとComfoBuds2の方がしっかりしていて、堅牢性に長けている感じ。
イヤホン本体を並べてみると、今作の方が若干ノズルが短いような印象を受けますが、それ以外はほとんど同じ外観です。
ColorBuds2の製品仕様
製品名 | 1MORE ColorBuds 2 |
対応コーデック | aptX Adaptive / AAC / SBC |
再生可能時間(イヤホン単体,ケース込み) | 最大8h, 最大24h |
Bluetooth規格 | Bluetooth5.2 |
防水性能 | IPX5 |
重量(イヤホン単体, ケース込み) | 4.9g, 44.3g |
充電方式 | USB Type-C, ワイヤレス充電(Qi) |
ノイズコントロール | ANC, パススルー |
操作方法 | タッチコントロール |
付属品 | 本体, イヤーピース, 充電ケーブル, 取扱説明書 |
価格 | ¥9,990(税込) |
ColorBudsとの仕様の違い
前モデルのColorBudsと比較して目立って異なる仕様は5つ。
- バランスドアーマチュアから7mm口径ダイナミックドライバーに変更
- Sound IDによるEQ調整が可能
- 単体での再生時間が2時間延長
- ワイヤレス充電に対応
- ノイズコントロールが可能
中でも特にSound IDが今作の推しポイントとしてPRされています。
それ以外に使用感に直接影響しそうなのは4と5。
置くだけ充電による労力の低減はかなり大きく、合わせてノイズキャンセリングとパススルーモードは街中での音楽体験の向上に大きく貢献します。
ColorBuds2の音質
ColorBuds2の音は1MOREらしいクリアな中音域が特徴で、全体的にフラット傾向の穏やかなバランスをしています。
個人的には1MOREのこのチューニングは好きなのですが、今回のComfoBuds2はユーザーに合わせたオーディオプロファイルを作成する「Sound ID」を搭載しているので、購入後に各自好みの音に変更することも可能です。
Sound IDとは、Sonarworksによって開発されたイヤホン特有の音響特性を個人の聴覚と組み合わせることで、オーディオプロファイルをパーソナライズする機能
音場はデフォルトの状態だとやや狭めですが、自分の場合Sound IDをONにすると体感2倍ほどに拡張され、全く異なった印象になります。
このSound IDについては若干気になるポイントはありますが、Appleの空間オーディオを体験した時に近い衝撃を受けました。
ニュートラルの音質が好みな方も一度はSound IDで調節をかけることをオススメします。
ColorBuds2の操作方法
ColorBuds2は側面部分にタッチセンサーが搭載していて、この部分をタップすることで操作が可能になります。
また、この操作方法についてはアプリ側で設定を変更することができるため、自身の使い方に合わせてカスタムしてみるのが良いでしょう。
- 2回タップ;再生・停止
- 3回タップ;音声コントロール
- ホールド;ノイズコントロール切替
2回タップと3回タップはそれぞれ、再生/停止、音声コントロール、曲戻し/曲送り、音量UP/DOWNに変更が可能です。
「1MORE」アプリの使い方
ColorBuds2は専用のアプリケーション「1MORE」に対応しています。
アプリストアからアプリをインストールし、イヤホンをデバイスと接続すればセットアップは完了です。
- バッテリー残量の確認
- スマート再生
- タッチコントロール
- Sound ID
- ファームウェアのバージョン確認
- 製品のクイックガイド
- 落ち着くサウンド
まずアプリのホーム画面でLとR、ケースのバッテリー残量の確認が1%単位でできます。
「スマート再生」はイヤホンを外したときに自動で再生を止めるかどうか、「タッチコントロール」は前項の通り2回タップと3回タップの操作を割り当てられます。
イヤホンのファームウェアもアプリ側からアップデートが可能で、意外と頻繁にアップデートが来るのでサポートに関しては手厚くなっているように感じます。
そして本命の「Sound ID」
2つの異なるサウンドのいずれかを選択(または違いがわからない場合はなし)という一連のA/Bテストを何度か行うことによって完了します。
テストが完了すると、SoundIDがその結果を使用してColorBuds2のEQ(音のバランス)を調整します。
その他、「製品のクイックガイド」や「落ち着くサウンド」と称したヒーリングミュージック機能も無料で使用できます。
全体的なスペック・使い方はこちらから
実際に使ってみて感じたこと
新搭載の「Sound ID」が面白い
前項でも触れましたが、簡単な二択のテストで個人に合わせたプリセットを抽出してくれるのは非常に便利で面白い機能です。
現に自分の耳で計測した場合、かなり理想のバランスに近づきました。
しかし簡単に設定できる反面、短所もあります。
それは「細かく調整できないこと」と「変更に手間がかかること」
各周波数帯のスライダーを細かく設定したい方や、聴いている楽曲によってEQをその都度変更したい方には不向きかもしれません。
多くのユーザーはEQを細かくイジれるほど音楽に詳しくないため、このような簡易的なパーソナライズを使用するメリットはありますが、上記に該当する場合は選択肢を考え直す必要がありそうです。
スペックは価格以上
1MORE ColorBuds2は現在、Amazon価格で言うと9,900円(税込)で販売されており、スペックから考えるとコスパは良いモデルだと言えます。
高音質コーデックのaptX Adaptiveに対応し、ノイズコントロールやSound ID等の機能も搭載、ワイヤレス充電が可能で15分の充電で2時間再生可能な急速充電にも対応。
再生時間は単体で最大8時間、ケース込みで最大24時間となっています。
しかし、アクティブノイズキャンセリングとパススルーモードの強度に関しては中程度なため、その機能を主たる目的として購入するのはあまりお勧めしません。
ノイズコントロールとタッチ操作はもう一歩
ColorBuds2、音やスペックは満足いくレベルのものが提供されていますが、ノイズコントロールとタッチ操作に関しては若干修正の余地があるように思われます。
ノイズコントロールとはANCとパススルーモードのことですが、この機能自体をオフにする事は不可能で、イヤホンがペアリングされている限りこのどちらか一方であり続けます。
ノイズコントロールをオンにしているとバッテリーを多く消耗しますし、音質の劣化が無い状態で音楽を聴きたい方も一定数存在します。
また、タッチ操作で変更可能なのが「2回タップ」と「3回タップ」のみな点が惜しく、「ホールド」もカスタム可能だと尚良かったと感じます。
まとめ
今回1MOREは人気機種「ColorBuds」を最新の状態にアップデートし、aptX Adaptiveに対応しただけでなく、1MORE独自のQuietMaxアクティブノイズキャンセリングテクノロジー、そしてSound IDテクノロジーを搭載しました。
上記の通り機能性は向上しましたが、値段はほとんど据え置きで9,900円(税込)。
前作の1MORE ColorBudsは8,800円(税込)で購入が可能となっています。
個人的には同時期に発売された「ComfoBuds2」より、今回紹介した「ColorBuds2」の方がデザイン、音質的にオススメです。
本記事はメーカー様から商品を提供いただき作成しています